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円満な代替わりをデザインする相続準備と「不動産投資を始める前」に知っておくべきこと

相続準備 不動産投資で円満な代替わり

資産承継は、単に税額を抑制する技術論ではありません。
ご家族の関係性、資産の品格、承継後の運営能力までを視野に入れた、総合的な“エステート・ガバナンス”が不可欠です。とりわけ不動産を厚めにお持ちのご家族では、評価・分割・運営のいずれもが複雑化しやすく、準備の巧拙がそのまま円満さに直結します。

2024年1月からの区分所有マンション評価の補正により、タワーマンション等で市場価格の60%程度まで評価が上がるケースが散見されるなど、是正の流れが始まったことに加え、2026年度税制改正の方向性により、相続直前の不動産取得で評価を大きく圧縮する旧来のスキームは実質的に封じられる見通しです。

つまり、今日の相続対策は、「節税商品としての不動産」から、「事業として成立する賃貸経営」への回帰が前提となりつつあります。

今後に備え、適切な相続対策をする上で、押さえておくべきポイントをご紹介いたしますので、ぜひ参考になさってください。

なぜ“円満な代替わりの準備”が重要なのか

不動産はトラブルの火種になりやすい

不動産資産は「分けにくい」「評価が難しい」「管理負担が偏りやすい」などといった性質から、最も相続トラブルの要因となりやすい資産です。
所有不動産の価値を家族間で共有しておくことや、残す不動産と売却する不動産の方向性を話し合っておくことなど、生前の準備と情報共有が特に重要です。

税制改正で“駆け込みの節税”は不可能に

2026年税制改正では、相続開始前5年以内に取得した投資用不動産は、購入価格ベースで評価する という新ルールが提示されており、従来の“駆け込み購入による評価圧縮”は封じられる方向です。
同時に、不動産小口化商品も実勢価格に基づく評価へと見直される方向で、極端な節税効果は消滅します。

つまり、相続準備は「節税」ではなく“家族全員が納得できる承継の計画”が主役になる時代に入りました。 相続は年齢に関係なく、家族や親に財産があれば突然訪れます。節税ができても納税を考えなければ相続破産となり、遺産分割が進まなければ相続が「争族」に変わってしまいます。相続とは人の不幸を前提としており、家族間では話しにくいものであるからこそ、事前に準備することが重要なのです。

相続税対策で“不動産投資を始める前に”必ず知っておくべきこと


相続税対策として不動産投資を検討する方は多いですが、2024年から2026年の制度変更により状況は大きく変わりつつあります。ここでは 特に誤解しやすいポイント をまとめます。

不動産評価額圧縮の効果を得られないケースも発生する

従来は、
・土地は路線価(市場の約80%)
・建物は固定資産税評価(建築費の6〜7割)
・貸家建付地の評価減
などにより、現金より相続税評価が大きく下がっていました。

しかし、2026年以降は5年以内取得の不動産は購入価格基準に近づくため、 この「評価差を利用した節税」は通用しなくなります。
相続前の駆け込み購入ではなく、計画的な投資計画の上での(取得後5年以上)相続が理想です。

不動産小口化商品での節税は不可に

2026年以降は、購入時期にかかわらず、不動産小口化商品は実勢価格を基準に評価されるため、節税目的には使えなくなります。
相続対策としての不動産小口化商品活用は、相続税の圧縮ではなく、相続時の円滑な資産分割と収益資産の継承メリットへ転換する必要があります

これからの不動産投資は“節税目的ではなく経営目的”で

節税目的のみで不動産を増やした場合
・管理負担
・修繕費
・空室リスク
・納税資金不足
などの問題が、相続人の負担になる可能性があります。

2026年改正でも示されているように、国は「評価差だけを目的とした不動産投資」を抑制する姿勢を明確にしています。不動産投資は「事業」です。賃貸物件を持つのであれば、

・長期的に収益を生むか
・管理できるか
・相続後も家族が困らないか

という“事業としての視点”が求められます。

円満な代替わりのための「3大相続対策」のポイント

では、具体的な相続対策の3つをご紹介します。

 1|家族の“合意形成”を先に

資産の全体像を「見える化」する

不動産(所在地・用途・稼働・評価・レバレッジ)、流動資産、有価証券、契約、借入などを一枚の台帳に統合するなどして、家族が把握できる形に整理します。
特に不動産は2026年以降の評価見直しを前提に、従来評価と新評価(購入価格×地価補正×0.8)双方の試算が必要です。

“早期の共有と合意”を設計する

誰が、どの資産を、どの目的で引き継ぐのか。不動産の運営負担やキャッシュアウト(納税・修繕)を数字で可視化した上で、家族間で共有することで、誤解や不信感を防ぎます。円満な代替わりの土台ができます。

遺言/遺言代用信託の整備をする

分けにくい賃貸不動産は、遺言での指定や信託の器を活用し、権利関係と運営権限を明確化します。
“誰が決めるか”のガバナンスを先に定めておくことで、相続後の摩擦を抑えます。

2|保有不動産の選別と承継を設計:節税ではなく「経営の持続性」

2026年以降は、「相続直前の購入で相続税評価が下がる」前提が崩れます。5年以内取得=購入価格基準(概ね80%評価)のため、駆け込み取得は合理性を失う可能性があります。
不動産小口化商品も時価評価が想定され、“評価差”による節税効果はなくなります。従って、今後の論点は「残す資産」と「手放す資産」の方針を明確にすることが需要となります。

【残す基準】
立地の耐久性、稼働・賃料の価格決定力、修繕積立の健全性、相続後も第三者運営に載せられるか。

【手放す基準】
収益性の低下、テナント・需給の構造変化、将来の大規模修繕負担、相続人の運営意向との乖離。

「節税のために増やす」から「承継後に持ち切れる」へ、思考の転換が必要です。

3|納税資金のデザイン

所有資産が不動産偏重の場合、相続税の現金払いが最大のボトルネックとなります。対策は分散と流動化の設計です。

・生命保険による納税原資の確保(受取人・額・タイミングの精緻化)
・選択的売却・借換のシナリオ(相続直後に慌てて“叩き売り”しない)
・法人化・信託による運営・資金動線の最適化(家族の関与度に応じたガバナンス設計)

など、物件をやむなく売却せずに済むよう、納税原資を確保しておくことが不可欠です。

生前贈与を活用した相続対策

相続対策として「生前贈与」と言われる方法を行う方もいます。
一般的に金融資産で行われていますが、不動産を活用した生前贈与の方法には、以下のメリットがあります。

相続財産そのものを減らせる

贈与すれば相続時の課税対象資産が減るため、累進税率の相続税では効果が大きくなります。

将来値上がりする資産を早く移転できる

不動産や株式など、将来値上がりが見込まれる資産は、相続時より贈与時のほうが評価額が低いケースが多いため、早期移転が有利です。

賃料収入を子へ移して“親の相続財産の膨張を止められる

収益物件を贈与すれば賃料収入が親の資産として積み上がらず、遺産規模肥大を抑制できます。

 

不動産の生前贈与「注意点」

不動産は“贈与すれば必ず得”という資産ではありません。以下の点には注意が必要です。

固定資産税評価・不動産取得税・登録免許税がかかる

贈与時に税負担が出るため、金額試算は必須です。

借入金付き不動産の贈与は“債務引受”で課税関係が複雑

専門家による設計が不可欠となります。

相続税対策としては「売却 or 贈与 or 保有」の三択で戦略設計することが望ましく、そのためには、評価額・収益性・借入・将来の承継意向に応じて総合判断を行う事が必須です。

相続対策として不動産投資のあり方

相続対策における不動産投資のメリットは“従来ほど単純な節税効果は薄れた”ものの、「収益性」「評価構造」「資産承継のしやすさ」の観点では、今も依然として強力な戦略です。

ただし、2026年以降は「節税目的の不動産投資」から「事業として成立する賃貸経営」が前提となる方向です。

つまり、相続直前に不動産を買って評価を下げるという方法は機能しませんが、収益性、長期保有、家族承継の視点を前提にした「相続対策としての視点」をもった不動産投資は有効は戦略となります。
ご自身の相続対策としての課題をしっかり認識し、不動産投資や有効活用のリスクを十分把握した上で、それらのリスクを解決・回避・低減できる方法があれば、不動産投資や有効活用による相続対策は成り立ちます。ご自身の「相続」に内在するリスクをよく把握し比較検証が重要です。

まとめ|円満な代替わりは「早く・正しく・共有する」ことでしか実現しない

相続の問題は不幸を前提としており、家族間では話しにくいものです。だからこそ、相続対策は「親の義務」と言えます。

相続するのはご自身の財産ではありますが、相続税で苦しむのは残されたご家族です。「争族」や「相続破産」のような、後々の問題にならないように対策をすることが大切です。

誰に何を頼むべきか、どのような対策を講じるべきか、事前に所有する財産を整理すると同時に、いざというときに頼れる専門家や、業者との関係性を構築しておくことで、ご家族の不安を軽減することに繋がります。

2026年以降、相続を取り巻くルールはさらに透明化し、節税だけに依存した対策は通用しなくなります。だからこそ、 “家族の未来を守るための準備”としての相続対策がますます重要になります。

子や孫に財産を平等に残すためにの、生前贈与、遺産分割には弊社の不動産小口化商品「まちシェア」の活用もご検討ください。

不動産特定共同事業に基づき実物不動産に1口100万円から出資できる商品です。湘南ユーミーまちづくりコンソーシアムが事業主体となり、複数の投資家から出資等を募り、その資金により実物不動産を取得・運営・管理し、得られた利益を投資家で分配する仕組みです。湘南の賃貸物件を小口化することで、1口100万円単位で購入が可能な商品設計です。口数単位での相続が可能となっており、資産運用としてだけではなく相続対策商品として、多くの客様にご活用をいただいております。

詳しくは下記ページをご参考ください。

不動産小口化商品とは?
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