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金投資と不動産投資の違いを比較|目的に合わせた選び方を解説

資産運用の方法として金投資と不動産投資が注目されており、いずれも実物資産として価値を持ち、インフレや経済の変動に対応できる手段です。しかし、それぞれの特徴やリスク、得られる収益の形は大きく異なり、「資産を守りたいのか」それとも「将来的な収入源を確保したいのか」など目的によって適した選択肢は変わります。本記事では、両者の違いを税金面も含めて整理しながら、ライフスタイルや資産状況に応じた考え方を解説します。

【この記事のポイント】
・ 資産の価値を守る「守り」の役割を担うのが金投資
・ 資産を増やし将来の収入源を確保する「攻め」の役割を担うのが不動産投資
・ インカムゲイン(保有中の収益)の有無が最大の違い
・ ご自身の目的(資産保全か、収入源の確保か)に応じて選ぶことが重要 

金投資の特徴:流動性が高くインフレに強い

金は世界共通で価値が認められており、換金しやすい資産です。インフレや経済不安にも強い点が特徴です。ここでは、金投資の代表的な方法や、メリット・デメリットについて解説します。

【この章のポイント】
・ 保有しているだけでは配当や利子といったインカムゲインを一切生まない
・ 世界中の市場で取引され、いつでも現金化できる高い流動性を持つ
・ インフレや経済危機時に価値が下がりにくい安全資産と見なされる
・ 5年以上の長期保有で売却益への税金が優遇される

金投資の代表的な方法

金投資には複数の方法があり、それぞれ手数料や利便性が大きく異なります。

・ 現物購入(金地金・金貨):金を物理的に所有する方法です。実物を手元に保有できる安心感がある一方、保管場所の確保や盗難・紛失リスクが伴い、貸金庫などを利用する場合は別途コストが発生します。

・ 純金積立
:毎月一定額を積み立てて金を購入する方法です。少額から始められる手軽さから初心者向けとして紹介されることが多いですが、注意が必要です。購入時にかかる手数料(一般的に購入代金の1.5%~3%程度)や年会費、売買価格差(スプレッド)が実質的なコストとなり、長期的に見るとリターンを圧迫する要因となります。また、リアルタイムで売買できないため、価格の急変に対応しにくいデメリットもあります。なお、現物購入、純金積立ともにNISA(非課税制度)の対象外です。

・ 金ETF・投資信託:証券取引所に上場している金の価格に連動する金融商品です。株式と同様にリアルタイムで売買でき、流動性が非常に高い点が特徴です。純金積立に比べて信託報酬(管理費用)が低コストな傾向にあり、保管の手間や盗難リスクもありません。さらに、NISA(少額投資非課税制度)の成長投資枠を活用すれば、売却益が非課税になるという大きな税制上のメリットがあります。多くの投資家にとって効率的で合理的な金投資の方法と言えるでしょう。
▼それぞれの違い

現物購入 純金積立 金ETF/投資信託
特徴 金地金や金貨を物理的に保有 毎月少額からコツコツ購入 証券口座で株式のように売買
メリット ・所有感がある

・信用リスクがない

・少額から始められる

・ドルコスト平均法が使える

・低コスト

・流動性が高い

・NISA活用で非課税に

・保管の手間がない

デメリット ・盗難、紛失リスク

・保管コストがかかる

・売買時に手間がかかる

・NISA非対応

・手数料が割高

・リアルタイム取引不可 ・NISA非対応

・現物との交換は原則不可

・証券会社の倒産リスク(分別管理)

主な手数料 購入・売却時のスプレッド、保管料 購入手数料、年会費、スプレッド 信託報酬、売買手数料(無料の場合も多い)
こんな人におすすめ 物理的な保有に強いこだわりがある人 手軽さを最優先し、コストを許容できる初心者 コストと税効率を重視するすべての投資家

金投資のメリット

金は実物資産としての安定性や流動性の高さなど、投資対象として多くのメリットがあります。

・ インフレ対策:通貨の価値が目減りするインフレ局面において、実物資産である金は価値を維持しやすい性質があります。
・ 高い流動性世界中の市場で取引されており、必要に応じて速やかに現金化することが可能です。
・ 安全資産としての価値:経済不安や地政学的リスクが高まると、投資家の資金が安全な逃避先として金に集まり、価格が上昇する傾向があります。株式などとは異なる値動きをすることが多く、分散投資先として有効です。
・ 信用リスクがない:金そのものに価値があるため、国や企業が破綻しても価値がゼロになることはありません
・ 長期保有による税制優遇金を売却して得た利益(譲渡所得)は、保有期間が5年を超えると、課税対象となる所得が半分に圧縮されます。これにより税負担を大幅に軽減できるため、長期保有が税務上有利です。

金投資のデメリット

金は安定資産として魅力的な一方で、他の資産にはない制約や不利な点もあります。

・ インカムゲインがない:金投資における最大のデメリットは、保有しているだけでは配当や利子、家賃のような収入を一切生まない点です。利益を得るには、購入時より高い価格で売却するしかありません。
・ 価格変動と為替リスク:金価格は日々変動します。また、国際的な金価格は米ドル建てで取引されるため、日本円での金価格は米ドル建て金価格とドル円為替レートの両方の影響を受け、二重のリスクを負うことになります。
・ 保有コスト現物保有には保管料や保険料がかかり、ETFや投資信託でも信託報酬という形で保有コストが発生します。
・ 損益通算ができない:金の売却で損失が出た場合、その損失を給与所得や事業所得など他の所得と相殺(損益通算)して、所得税や住民税を減らすことはできません。これは不動産投資との大きな違いです。

不動産投資の特徴:収入源と資産形成を両立できる


不動産投資は、物件を貸し出すことで安定した家賃収入を得ながら、将来的な資産価値の上昇も狙える、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を追求できる投資手法です。

【この章のポイント】
・家賃収入という安定したインカムゲイン(キャッシュフロー)が最大の魅力
・ 融資(レバレッジ)を活用し、自己資金の何倍もの資産を効率的に運用できる
・ 不動産所得の赤字は、給与所得などと損益通算して節税に繋げられる
・ 現金化に時間がかかる流動性の低さがデメリット

不動産投資の方法

不動産投資には「区分マンション」「一棟」「J-REIT」といった代表的な方法があり、それぞれ必要な資金やリスク、運用の自由度が異なります。

・ 区分マンション投資:マンションの一室単位で購入する方法で、比較的少額から始められるため、不動産投資の入門として人気があります。管理は管理組合に任せられる部分が多く、手間が少ない点が特徴です。ただし、その一室が空室になると家賃収入がゼロになるという集中リスクを抱えます。

・ 一棟投資
:アパートやマンションを丸ごと一棟購入する方法です。初期投資額は大きくなりますが、複数の部屋からの家賃収入があるため、一室が空室になっても収入が途絶えるリスクを分散できます。また、建物全体の管理や運営方針を自身で決められる自由度の高さも魅力です。

・ J-REIT(不動産投資信託)
: 投資家から集めた資金で複数の不動産に投資し、その収益を分配する金融商品です。証券取引所に上場しており、数万円程度の少額から分散投資が可能です。流動性が高く、管理の手間もかかりませんが、不動産の所有権はなく、運営に関与することもできません。金ETF・投資信託と同様にNISAの成長投資枠を活用できます。

不動産投資のメリット

不動産投資には「安定収入の確保」「資産形成」「税制面の優遇」など、他の投資商品にはない特有のメリットがあります。

・ 安定的なキャッシュフロー:毎月得られる家賃収入は、ローン返済や経費を差し引いた後、安定した手残りの現金(キャッシュフロー)となり、私的年金や第二の収入源として機能します。

・ レバレッジ効果
:金融機関からの融資を活用することで、自己資金だけでは購入できない高額な資産を取得できます。これにより、自己資金に対する投資利回りを飛躍的に高めることが可能です。

・ インフレヘッジ
:インフレ時には物価と共に家賃も上昇する傾向があり、資産価値も上昇しやすいため、インフレに強い資産と言えます。

・ 損益通算による節税効果
:家賃収入から必要経費(ローンに利息部分や減価償却費、固定資産税、管理費など)を差し引いて計算した不動産所得が赤字になった場合、その赤字を給与所得など他の所得と合算(損益通算)できます。これにより、全体の所得が圧縮され、所得税や住民税の負担を軽減できる効果が期待できます。特に「減価償却費」は、実際の現金支出を伴わない会計上の経費であるため、キャッシュフローはプラスのまま税負担を抑えることも可能です。

・ 生命保険効果
:団体信用生命保険に加入してローンを組むと、オーナーに万一のことがあった場合、ローン残債が保険で完済されます。残された家族は、無借金の収益物件を相続でき、安定した家賃収入を得られます。

不動産投資のデメリット

不動産投資は長期的な資産形成につながる一方で、金と比べて特有のリスクや制約があります。

・ 初期投資額と低い流動性:金投資に比べ、購入時に多額の自己資金(頭金や諸費用)が必要です。また、売却を決めてから現金化するまでに数ヶ月以上かかることが多く、流動性が低い資産です。

・ 運営リスク
空室、家賃滞納、家賃下落といったリスクが常に伴います。また、突発的な修繕費が発生することもあります。

・ 継続的なコスト
:固定資産税や都市計画税、管理委託費、修繕積立金など、保有しているだけで継続的に費用が発生します。

・ 金利上昇リスク
変動金利でローンを組んだ場合、将来金利が上昇すると返済額が増加し、キャッシュフローが悪化する可能性があります。

・ 売却時の譲渡所得税
物件を売却して利益が出た場合、譲渡所得税が課されます。この税率は保有期間によって大きく異なり、保有期間5年以下(短期譲渡)の場合は税率39.63%、5年超(長期譲渡)の場合は税率20.315%と、倍近い差があります。そのため、短期的な売買は税務上きわめて不利になります。

金投資と不動産投資の性質の違い

両者の性質の違いを簡易的にまとめました。

【この章のポイント】
・ インカムゲイン:金はゼロだが、不動産は家賃収入がある
・ 流動性:金は即日換金可能だが、不動産は現金化に数ヶ月以上かかる
・ レバレッジ:金は原則活用できないが、不動産は活用できる
・ 損失の扱い:金の損失は損益通算できないが、不動産の赤字は損益通算できる

金投資 不動産投資
初期投資 数千円から可能(ETFなど) 数百万円以上(頭金・諸費用)
インカムゲイン なし(0%) あり(家賃収入)
レバレッジ 原則なし(先物取引などを除く) 活用可能(大きなメリット)
流動性 非常に高い(即日換金可能) 低い(現金化に数ヶ月以上)
管理の手間 ほぼ不要(ETFの場合) 必要(自主管理または委託)
期待リターン ミドルリターン(値上がり益のみ) ハイリターン(家賃収入+値上がり益)
利回りの具体例 0% 首都圏の新築アパートで表面利回り5%台など

※立地、構造、築年数により利回りは変動します。

売却益への課税(譲渡所得) 総合課税(保有5年超で課税所得1/2) 分離課税(保有5年超で税率が約半分に(約39%⇒約20%)
損失の扱い 損益通算不可 損益通算可能
主なリスク 価格変動、為替変動 空室、家賃下落、金利上昇、災害

どちらが向いているかの判断基準

これまでの分析を踏まえ、どちらの投資が自分に向いているか、以下の基準で判断してみましょう。

金投資が向いている人

・ 目的が資産の保全であり、インフレや経済危機への備えを最優先したい人
・ いつでも現金化できる「流動性」を重視する人
・ まずは少額(10万円以下など)から投資を始めてみたい人
・ インカムゲイン(保有中の収益)がなくても問題ない人

不動産投資が向いている人

・ 目的が資産の拡大であり、将来の収入源を構築したい人
・ ローンを活用したレバレッジ効果で効率的に資産を増やしたい人
・ 長期的な視点で投資ができ、短期的な現金化の必要がない人
・ 物件価格の1~2割程度の自己資金を用意でき、物件管理の手間を許容できる人


金投資と不動産投資、今の目的に合う選択を

【この章のポイント】
・ 資産の価値を守る「守り」の役割なら金投資が適している 。
・ 資産を増やし、将来の収入源を作る「攻め」の役割なら不動産投資が適している 。
・ 特に現役世代や老後資金を準備したい方には、不動産投資がもたらすメリットは大きい 

金投資と不動産投資は、どちらも優れた実物資産ですが、その役割は明確に異なります。資産を守る役割を担うのが金、資産を増やし育てる役割を担うのが不動産です。また、税務上のメリット・デメリットも大きく異なるため、ご自身の所得状況や投資期間の想定に合わせて選択することが重要です。

特に、これから資産を形成していく現役世代や、安定した老後資金を準備したい方にとって、不動産投資がもたらす家賃収入・レバレッジ・生命保険効果といったメリットは、他の金融商品では得難い強力な武器となります。

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