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オペレーティングリースで節税と相続対策。出口戦略と不動産活用の賢い選択

事業承継・相続は、多くの企業オーナーにとって避けて通れない経営課題です。これまでは、その対策の一つとしてオペレーティングリースが広く活用されてきました。しかし、経済環境の変化により、単にリース商品を買うだけでは十分な対策にならない状況です。

本記事では、オペレーティングリースの仕組みとメリット、多くの人が見落としがちな出口(リース期間満了)や相続時のリスクを解説し、不動産投資を組み合わせた賢い出口戦略について考察します。

【この記事のポイント】

 ・オペレーティングリースは大きな償却メリットがあり、株価引き下げによる事業承継対策として活用されている
 ・契約期間中の資金拘束や、リース満了時の株価急騰など、出口におけるリスク管理が重要である
 ・戻ってきた資金を不動産に換えることで、インフレ対策と相続税評価の圧縮を両立する戦略が有効である

オペレーティングリースとは?節税の仕組みを解説

オペレーティングリースを一言で言えば、航空機や船舶などに投資し、減価償却費として多額の経費を計上する仕組みです。 これにより、本業で突発的に出た大きな利益を相殺し、法人税の支払いを先送りにすることが可能です。

【この章のポイント】

 ・航空機などに投資し、出資額の約7〜8割を初年度に損金計上することで、突発的な利益を圧縮できる
 ・投資家が出資し、匿名組合が銀行借入を併用して資産を購入するため、出資額以上の償却効果が得られる
 ・税金そのものが消滅するわけではなく、あくまで支払いを将来に先送りする「利益の繰り延べ」である

減価償却で大きな損失を作る

仕組みとしては、投資家(自社)が匿名組合にお金を出資し、組合がその資金と銀行借入で航空機などの大型資産を購入・賃貸します。借入を併用することで、出資額以上の資産規模に対する減価償却が可能となります。

最大の特徴は、投資初年度に投資額の多くを損金(経費)として計上できる点です。多くの商品で「定率法」が採用されており、出資額の約7割から8割を初年度に損金処理できます。 実際にお金が出ていくのは出資時の一回だけですが、会計上は大きな赤字を作ることで、その期の税金を圧縮できます。

なぜ事業承継・相続対策に使われるのか

オペレーティングリースは単なる法人税の節税だけでなく、事業承継や相続の場面でも頻繁に活用されます。

【この章のポイント】

 ・大きな会計上の赤字を作ることで会社の利益や純資産を減らし、非上場企業の「自社株評価」を引き下げる効果がある
 ・株価が下がっている時期に後継者へ株式を生前贈与することで、贈与税の負担を最小限に抑えられる
 ・リース期間が満了して株価が元に戻る前に、株式の移転を完了させることが対策の必須条件となる

自社株の評価額を引き下げる効果

オペレーティングリースで大きな会計上の赤字を出すと、会社の利益や純資産が減少します。非上場企業の株価は、基本的に「会社の利益」や「純資産の額」をもとに計算されるため、赤字が出ると株価が一時的に下落します。 具体的には、「類似業種比準方式」では利益が減ることで評価額が下がり、「純資産価額方式」では出資対象資産(航空機等)の評価通達に基づく再評価を通じて株価が抑えられる仕組みです。

株価が下がったタイミングで生前贈与

この株価が下がっている時期を見計らい、後継者へ株式を贈与・譲渡する方法は、事業承継でよく用いられます。株価が低い時期に株式を移すことで、贈与税の対象となる金額を小さく抑えることができます。贈与税の非課税枠や税率の低い範囲を最大限活用し、無駄な税金の支払いを防ぎながらスムーズな承継が可能になります。重要なのは、将来的にリースが満了して株価が戻る前に、株式の移転を完了させることです。

オペレーティングリースの相続時のリスクとは

万能に見えるオペレーティングリースですが、契約期間中に相続が発生してしまった場合、思わぬリスクに直面することがあります。

【この章のポイント】

 ・原則として中途解約ができず、相続税の納税資金が必要になってもすぐに現金化できない流動性リスクがある
 ・無理に現金化しようとすると、権利を安く売却せざるを得ず、元本割れを起こす可能性がある
 ・相続税評価額は払戻し金額(時価)に基づき計算されるため、不動産のような大幅な評価減効果は期待しにくい

解約不能期間の資金拘束

オペレーティングリースは、原則として中途解約ができない契約がほとんどです。契約期間は航空機なら約10年、コンテナなら約7年と長期間にわたります。 万が一、相続が発生して納税資金のために現金が必要になっても、すぐに手元に戻せません。

どうしても現金化したい場合は、権利を第三者に安く売却せざるを得ず、元本割れを起こす可能性があります。また、相続税は原則として、相続開始から10か月以内に納付する必要があるため、期限内に現金を確保できない「流動性のリスク」も無視できません。

相続税評価額は意外と下がらない?

また、個人の相続財産としての評価減効果は限定的です。リースの権利(匿名組合出資持分)の評価は、原則として「相続開始の時において解約するとした場合に払戻しを受けられる金額」で計算されます。つまり、金融資産に近い扱いとなり、現金で持っているのと相続税評価額があまり変わらない可能性があります。不動産のような大幅な評価圧縮ルールは適用されにくい点に注意が必要です。

リース期間満了時の分配金が「自社株評価」を急騰させる罠

リースの出口(リース期間満了)で戻ってくるお金が、逆に事業承継の足かせになるリスクについても理解しておく必要があります。

【この章のポイント】

 ・リース期間満了で利益と現金が戻ってくると、会社の純資産が増加し、一時的に下げていた株価が急上昇(リバウンド)する
 ・このタイミングで事業承継が完了していないと、高騰した株価で引き継ぐことになり税負担が増加する
 ・戻ってきた利益を相殺する退職金や次の投資の準備がないと、高額な法人税支払いが発生する

現金が戻れば株価も元通り

数年後にリース期間が終わると、資産を売却した利益と物件の売却代金が分配され、多額の益金(利益)が会社で計上されます。これにより会社の純資産は再び増加し、一時的に下げていた自社株の評価額も急上昇(リバウンド)します。

このタイミングで事業承継が終わっていないと、以前よりも高い株価で株式を引き継ぐことになります。つまり、あくまで利益の繰り延べ効果が終了し、課税のタイミングがやってきたに過ぎません。

タイミングがずれると税負担増

最も注意したいことが、返戻金が入って株価が高騰した直後に、経営者に万が一のことが起きるケースです。高騰した株価に対して相続税が課税され、負担が激増する恐れがあります。 戻ってきた利益を消すための退職金や、次の投資を用意していないと、高額な法人税の支払いも必要になります。出口の時期をコントロールできない案件もあるため、計画的な対策が不可欠です。

インフレ時代に現金化される資産を持つリスク

昨今の経済情勢を踏まえると、現金で戻ってくること自体のリスクも考慮すべきです。

【この章のポイント】

 ・インフレが進行した場合、数年後に戻ってくる現金の実質的な価値が目減りしている可能性がある
 ・契約時に定めた利回り以上に物価が上昇すれば、実質的な資産価値としてはマイナスになりかねない
 ・リースはあくまで権利であり、不動産や金のような実物資産ではないため、インフレへの耐性が弱い

現金の価値が目減りする可能性

オペレーティングリースは、将来戻ってくる金額がある程度決まっている金融商品的な側面があります。しかし、インフレが進む現在、数年後の1億円は現在の1億円よりも価値が低い可能性があります。契約時に定めた利回り以上に物価上昇率が高くなれば、実質的な資産価値は目減りしてしまいます

モノの値段が上がることへの対策不足

インフレ局面では、現金の価値は下がり、不動産や金(ゴールド)のような「実物資産」の価値が上がる傾向にあります。リースはあくまで「権利」であり、実物資産を保有しているわけではないため、インフレには弱いと言えます。長期的な資産防衛には、現金以外の形で資産を持つ視点が必要です。

相続税評価を圧縮するなら不動産が強い理由

ここで、相続対策の王道である不動産投資との比較を見てみましょう。不動産には、現金や金融商品とは異なる、税務上の強力なメリットがあります。

【この章のポイント】

 ・不動産は路線価や固定資産税評価額で計算されるため、現金保有に比べて評価額を約7〜8割に圧縮できる
 ・賃貸物件として活用すれば貸家建付地などの特例が適用され、評価額をさらに引き下げることが可能である
 ・これらを組み合わせることで、相続税評価額を現金時の約3分の1程度まで抑えられるケースもある

時価と評価額のギャップを活用

現金やリース出資持分は時価に近い評価になりますが、不動産は「路線価」や「固定資産税評価額」で計算されるため、時価の約7~8割、場合によってはそれ以下に圧縮が可能です。 土地の評価に使われる路線価は実勢価格の約8割、建物の固定資産税評価額は建築費用の約5~7割程度になることが多いため、購入した瞬間に資産価値を下げることができます。

貸家建付地によるさらなる減額

さらに、賃貸アパートなどを建てて人に貸すことで、「貸家建付地」や「小規模宅地等の特例」の適用が可能です。人に貸している土地や建物は所有者が自由に処分できないため、評価額がさらに3割程度下がります。これらを組み合わせることで、相続税評価額を現金保有時の約3分の1程度まで抑えられるケースもあり、大幅な節税効果が期待できます。

【出口戦略の提案】リースの戻り資金を不動産へ

そこでおすすめしたいのが、オペレーティングリースの出口と、不動産投資の入り口を組み合わせる戦略です。

【この章のポイント】

 ・リース満了で戻った資金を即座に不動産へ換えることで、自社株評価の急騰を抑制し、効果を継続させる
 ・後継者に対し、現金ではなく、インフレに強く収益を生む現物資産を引き継がせることができる
 ・相続税が発生した場合でも、不動産から得られる毎月の家賃収入を納税資金に充てることが可能になる

リース期間満了時の分配金を不動産に変えて株価上昇を抑制

リース期間満了時に戻ってきた現金をそのまま保有せず、収益不動産の購入に充てるという方法です。会社に入ってきた現金を即座に不動産へ換えることで、時価と相続税評価額の差を利用し、自社株評価(株価)の急上昇を抑制します

ただし、法人の自社株評価(純資産価額方式)においては、取得後3年以内の不動産は「通常の取引価額(時価)」での評価が求められる規定(財産評価基本通達185)があります。そのため、購入直後に相続税評価額による大幅な評価減を期待することは難しく、数年先を見越した計画的な出口戦略が重要となります。

こうした評価上の制約から、主に「類似業種比準方式」を採用する企業や、個人の相続対策において高い効果を発揮します。同時に、不動産であれば減価償却費を計上し続けられるため、長期的な利益圧縮効果も継続します。これにより株価を低い水準で安定させ、事業承継のタイミングが計りやすくなります。

事業承継対策の仕上げとして

この戦略により、後継者には「現金」ではなく「収益を生む現物資産」を引き継がせることが可能になります。相続税が発生した場合でも、毎月の家賃収入を納税資金の支払いに充てられます。また、インフレに強い実物資産を残すことで、将来の経済変動から会社を守る強固な経営基盤となります。

資産価値が下がりにくい湘南エリアという選択肢

不動産投資においては、物件の条件だけでなく立地の選び方も重要です。そこで、今注目されているのが「湘南エリア」です。

【この章のポイント】

 ・湘南エリアは独自のブランド力と根強い実需があり、不景気でも資産価値が下がりにくい特性がある
 ・土地価格が安定しており流動性も高いため、長期的な資産保全と、いざという時の換金性の両面で安心感がある
 ・インカムゲイン(家賃)とキャピタルゲイン(資産価値維持)の両立が期待でき、資産防衛に適している

ブランド力と実需の強さ

都心から1時間圏内のリゾート地である湘南エリアは、海や自然を求める富裕層や移住者からの人気が高く、確固たるブランド価値が確立されています。「湘南に住みたい」という憧れを持つ層が一定数存在するため賃貸需要が途切れにくく、テレワークの普及も相まって、居住用・別荘用ともに底堅い実需があります。不景気になっても一等地のブランド価値は下がりにくい傾向があります

土地値の安定感と資産の保全

建物は経年劣化しますが、好立地の土地価値は維持されやすいものです。湘南エリアは土地の価格が下がりにくく、資産価値を長く保てるため、インカムゲイン(家賃収入)とキャピタルゲイン(売却益・資産価値維持)の両面が期待できる投資対象です。流動性も高く、いざという時に買い手が見つかりやすい安心感も、資産防衛においては重要なポイントと言えるでしょう。

繰り延べで終わらせない。出口戦略で完成させる資産防衛

オペレーティングリースは、法人税対策の強力な武器ですが、あくまで課税の先送りに過ぎません。節税の真価が問われるのは、リース期間満了時に資金が戻ってきた時、つまり「出口」の瞬間です。ここで対策を講じなければ、高騰した株価に対する課税やインフレによる資産目減りといったリスクに直面することになります

私たち湘南ユーミーまちづくりコンソーシアムは、湘南エリアの市場動向を熟知したプロフェッショナルとして、単なる物件紹介に留まらないご提案をいたします。オペレーティングリースのリース期間満了のタイミングを見据え、戻ってきた資金をスムーズに「湘南の収益物件」へとシフトさせる、最適なリレー投資を設計いたします。

現金を価値ある資産へ置き換えることが、インフレからも、将来の相続税からも会社と家族を守る盾となります。現在のリース契約の状況や事業承継のプランに合わせて、どのような出口戦略が描けるのか。まずはお気軽にご相談ください。